〈経緯2〉ロンドンへの美容留学で気がついた日本文化の素晴らしさ

美容師としてスタイリストデビューを飾ったものの、超えられない壁に悩む日々。

そんな私が自分を成長させるために選んだ道は、美容師のメッカ、ヴィダルサスーンへ海外留学へ行くことでした!

ちなみにダメダメだった新人スタイリスト時代
【経緯1】悩み抜いた新人スタイリスト時代にした、たった1つの決断の続きです。

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初めての一人旅は海外美容留学

今、思い返してもなかなかの行動力だったと思います。

当時、「ディス・イズ・ア・ペン」くらいしかわからないレベルの英語力(笑)でしたが、そんな事は一切考えず美容留学を決めてしまいました。
(留学先の講義は当然英語なので美容師専門の通訳を雇った)

ヴィダルサスーン短期美容留学プログラム(予算的に10日間程度の短期が限界だった)と、シェアハウス、通訳等の手続きと支払いを済ませ、イギリス(ヒースロー空港)までの航空券を購入し準備は万端です。

「今までのダメな自分から変われる!」

憧れのヴィダルサスーンへの期待感もあり、海外への初一人旅が待ち遠しかったことを覚えています。

ロンドンへの飛行機の中で早速後悔する

希望に胸を膨らませながら、意気揚々と1人でヒースロー国際空港行きの飛行機へ乗り込みました。

十数時間のフライトでしたが、飛行機が飛び立つと、予想もしていなかった大きな気持ちの変化が訪れます。

日本から離れれば離れるほど、さっきまで胸の中にあったはずの「希望」がどんどんしぼんでいき「不安」が大きくなっていくのが自分でもわかったのです。

「なんでロンドン行くことにしちゃったんだろう、、、?」
「なにも成長できなかったらどうしよう、、、」
「日本に帰りたい、、、」
「そういえば英語話せない、、、」(気づくの遅い。笑)

まだ日本を離れて数時間しか経っていない(ロンドンに着いてすらいない)のに、すでにホームシックでした。

1人で、不安で、日本が恋しい、、、
でも、そんな気持ちはお構いなしに飛行機はまっすぐとロンドンに向かって飛んで行きます。
当たり前ですが(笑)

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世界各地の美容師が集まるロンドンのヴィダルサスーン

思いのほか、大きなトラブルも無く(空港で迷うなどの小さなトラブルは山ほどあったが)ヒースロー国際空港に到着しました。

いざロンドンに着いてみるとさっきまでの不安が嘘のようにワクワクしてきます。

そして、翌日からヴィダルサスーンでの講義が始まりました。
一緒に講義を受けるメンバーはイギリス人、アメリカ人、イタリア人、カナダ人、韓国人、中国人、そして日本人は私1人です。
キャリアや年齢も様々で、美容師さんはもちろん、美容学校の校長先生も一緒に講義を受けていました。

講義の内容は、午前中は座学でヘアカットの考え方を勉強し、午後はひたすらモデルさんをカットするという内容でした。
そして、講義の後に皆でパブ(日本でいうバーや居酒屋)に飲みに行く毎日。

思い返すと、講義の内容そのものよりも、世界中の人たちとお酒が飲める環境の方が、その後の私の人生に与える影響は大きかったようです。(もちろん講義の内容も素晴らしい内容ですが)

文化、言語、宗教、生き方がまったく違う人々との交流での気付き

ただでさえ個性的な美容師たちの集まり。
美容師さんが個性的なのは日本も海外も変わりません。しかも、様々な国から集まっています。

でも、そこはやはり美容師同士、飲み会でもひたすら美容の話ばっかりしていました。(話の内容が美容のみなら英語も多少わかります)

「君のカットすごくよかったよ!」

「君のハサミ良さそうだね!明日貸してよ!」

「カットは上手だけどブローは下手だね〜!」(ほっといてくれ。笑)
※海外美容師はブローが上手、詳しくは海外の美容師さんはブローが上手!その4つの理由とは?をご覧下さい

などなど、みんな言いたい事を遠慮なくバンバン言ってきます。(初対面で)

衝撃でした。以下、私の心の声

「うわぁ、外国だなぁ〜、日本と違ってズバッと言うな〜」
「日本人だったら絶対言わないだろなぁ〜」
そんなことを思っている時に、ふと頭の中を1つの考えがよぎりました。

「あ、、、日本人(私を含めた)は控えめを良しとする文化の中で生活しているんだな、、、

日本人特有の「控えめの美学」

『もしかしたら、日本人は言わない(言えない)だけで、実は表に出さない強い主義・主張(個性や感情)があるのかもしれない』

当然のことすぎて、今まで深く考えたこともありませんでしたが、生きてきたバックグラウンドが全く違う外国人たちと触れ合うことでハッキリ気がついたのです。

『「日本人も本当は個性を伝えたい」
でも「言えない」だけ』なんじゃないか?

ということに。

私は頭の中では知っていても、本当に心からは理解していなかったのだと思います。

そのことに気がついてから、言葉に出さないお客様の要望を読み取ることを意識するようになりました。

それをきっかけに、私の美容師人生はまた大きな変化を迎えることとなったのです。

続きは↓

〈経緯3〉留学から帰国後、ダメ美容師に起こった劇的な一つの変化をご覧下さい。