海外進出の前に、需要と供給のバランスを考えないといけない理由とは

タイトルを見て、「何を当たり前のことを。笑」と思われたあなた、正解です。笑
ですが、私が言いたいのはそこではありません。
日系サロンや美容師さんが海外に進出する場合特有の『データでは分からない』需給バランスがあります。
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日系サロンに来店されるお客様の多くは日本人、、、なのか?

もし、あなたが今、海外にサロンをオープンしたとしたら
お客様の多くは日本人だと思いますか?
おそらく、
「この都市には、日本人がこんなにたくさん住んでいて日系のサロンがこれだけしかないのか!?よし、いけるゾ〜!ブルーオーシャンだ〜!」
と当然(?)、現地の日本人のお客様比率に期待してオープンしますよね?
私も海外で働くまではブルーオーシャンだと思っていました。笑
そこに意外な落とし穴があります。

確かに日本人のお客様は多いが、、、

私の率直な感想では、
「あれ?需給バランスで考えると、もっと日本人比率高いと思ったけど、意外と日本人のお客様少なくない!?」
です。笑
そこには、3つの要因があります。

1、お客様の入れ替わりが激しい

美容室の自然失客(病気や引越し等、やむを得ない事情での失客)の割合は10%と言われています。
ですが、海外に住んでいる方の多くは仕事で来ているビジネスマンか、またはそのご家族です。
つまり、転勤シーズンになると大規模な自然失客が起こるということです!
また、従業員を多く抱えている日系の大企業が撤退した時なども、爆発的に自然失客が起きます。

2、日本にすぐ行ける(アジアの場合)

これは、アジア特有のメリットでもありデメリットでもあるところだと思うのですが、
日本が近いです。LCCの登場のおかげで、行こうと思えばすぐ行けます。
そのため、
「髪は日本でしか切らない」
と決めている方や、
「海外でもサロンに行くけど、一時帰国のタイミングでもサロンに行く」
という生活スタイルの方も多くいらっしゃいます。
つまり、日本人のお客様だからといって、必ずしも現地の日系サロンを利用する訳ではないということですね!
余談ですが、逆にメリットとしては、
日本で担当していたお客様がわざわざ東南アジアまでご来店してくれた
海外で出会った日本人のお客様が、日本に本帰国後も飛行機で通ってくれている
という、美容師として最高に嬉しい経験もする
事も希にあります。
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3、「せっかく海外に住んでるんだから海外の美容室に行こう」と考える方は少なからずいる

何を隠そう、私自身がこのタイプです。笑
多少英語が話せるのでオーダーに困らないし(専門用語とかもわかるので伝わりやすい)、
美容師なので、最悪失敗しても自分で治せる。
何より、
海外の美容室で、しかも全く違う文化で育った人に髪を切ってもらうなんてワクワクしませんか?(私だけ?笑)
そんな方はお客様でも意外といっぱいいるものです。
もちろんイメージと違う髪型になって、日系サロンに駆け込む方もいらっしゃいますが、
そのままローカル(地元の)サロンの固定客になる方も多くいらっしゃいます。
(私もその1人です!笑)

まとめ

需要と供給の数字だけを見ると、ブルーオーシャンだと感じられる海外はたくさんあるはずです。

ただし、経営に行き詰まって撤退するサロンもたくさんあります。

また、海外で美容師をしていると、ほかの日系サロンの情報も耳にすることがあります。

特に、うまくいってないサロンの情報は日本人のコミュニティーの中で話題になります。

そして「うまくいってない=技術が下手」というレッテルも貼られやすいのが事実です。
※当然美容師からすると、必ずしもイコールじゃないのは当然ですが、お客様にはそのようなイメージがついてしまいます。
海外進出を目指す、サロンの経営者や美容師の方たちは、Google検索に出てきた数字だけを鵜呑みにせず、
『データでは分からない』需給バランス
にもしっかり注目しましょう。